久慈の在来品種大豆「山白玉」を栽培して「嵯峨とうふ」を作る! 〜久慈のブランド豆腐として全国へ〜
by 嵯峨大介(嵯峨豆腐店)
おばあちゃんの味
昭和32年、祖母が26歳のときに近所の豆腐屋が辞めるのをきっかけに、譲り受け始めました。
元々祖母は炭焼きをしていたそうで、とても大変だったため、それよりは楽だろうと豆腐屋を譲り受けたそうです。
素人から始めたため、祖母は木綿豆腐、いわゆる昔豆腐しか作れませんでした。
それ一本で50年続けてきました。
そのため、基本に忠実で、おいしい豆腐であったため、地元で評判の豆腐でした。
嵯峨家にとっては、祖母の豆腐が当たり前の豆腐であり、市販の豆腐などは家にいる間、ほとんど食べたことがありませんでした。
その味を受け継ぎたい!
平成23年2月29日に、仕事を辞めたため、今後をどうするか考えるため、帰省しました。
その11日後、東日本大震災に遭いました。
もともと豆腐をやることも考えていませんでしたし、次の仕事が決まるまでのつなぎで家にいるつもりでした。
それが震災のおかげで身動きがとれなくなり、先のことが真っ白になりました。
時間だけがただあったので、そのとき祖母に豆腐を教わることにしました。
当時、祖母はリウマチにかかっていたため、もう一人では豆腐がつくれない状態でした。
教わるなら今しかない!
と思い、祖母に教えてもらいながら豆腐を作りました。
私の住む久慈市山形町は深刻な過疎地で、豆腐を作ったからといって、売れる状況ではなかったため、練習がてら作った豆腐を、被災地を回って届けることにしました。
最初は野田村から始め、釜石市、宮古市田老、大槌町、陸前高田市と豆腐を届けて回りました。
そうしているうちに、豆腐を作るのも悪くないかなと思うようになりました。
ただ、うちの近所は人もいないですし、売り上げも見込めないですし、やるつもりもなかったので、貯金などの資金もなかったため、非常に悩みました。
なによりせっかく大学まで出ていてという未練もありました。
ただ、祖母のおいしい豆腐をせっかく教わったからには残したいという思いから、決心しました。
そして私なりに祖母から教わった豆腐をさらに思考錯誤で改良し、おいしくしました。
そのおかげで、日本テレビ「満天☆青空レストラン」などのテレビ等でも紹介されました。
その際の様子がこちらです。
http://www.ntv.co.jp/aozora/location/2017/04/398.html
ただ、テレビの影響は一時的で、継続的な売り上げにはつながりませんでした。
田舎はすたれていく一方で、ここでやっていくためには全国に発信していかなければなりません。
こだわりの豆腐は全国各地にあります。
ただ、大豆から自分で栽培している豆腐屋さんはあまりありません。
そこで、私は大豆栽培から自分で始めました。
競争力を高めるため、味が良く、その土地に合った品種を考えました。
味が良い品種はたくさんありますが、その大豆を植えたからといって、良い大豆ができるかというとそうではありません。その土地にあった大豆でなければ、なかなか良い大豆は獲れません。
そのとき、目を付けたのが久慈の在来品種大豆「山白玉」でした。在来品種独特の甘さと、木綿豆腐にしても朧豆腐のような、まったり感がでるのが特徴です。
かつては、県の奨励品種にもなっていましたが、病気に弱く、薬などにも弱いため、だんだんと淘汰されていった幻の品種です。
地元の農家さんに種を分けていただき、少量ですが自分で栽培し、東京の百貨店などで試験的に販売してみました。
味はとても好評で、値段を高めに設定しましたが、それでも買っていただくことができました。
この山白玉の作付け面積を増やし、ブランド豆腐として商品化していきたいと考えています。
私一人では生産量が限られるため、地元の農家さんにお願いしたいと考えております。
また、現在は木綿豆腐のみを製造していますが、東京の百貨店などに販売にいくと必ず「絹豆腐はないか?」と聞かれることもあり、そのご要望にお応えするべく、絹豆腐にも挑戦したいと思います。
今回のクラウドファンディング挑戦は、そういった新商品の開発に伴う資金の一部を皆様にお願いをし、多くの方にその味を味わっていただきたいためのものです。
ご協力いただいた資金は、設備の購入や販売パッケージやその容器の開発、大豆の購入資金に充てさせていただき、ご協力いただいた皆様には、新商品(山白玉で作った豆腐)などをお届けいたします。
写真はイメージです。
地域が誇る豆腐になる!
昨年、おかげさまで60周年を迎えました。
昨今、地域の豆腐屋さんがどんどん潰れていく中で、ここまでやってこられたのは大変ありがたいことです。
これからもずっと、おばあちゃんの味を、地域の味を守っていくためにも、守るべきものは守り、変えていくべきものは変えていこうと思っています。
今回の新商品開発はまさにその一環です。
そして、それを全国に発信して、地域の活性化につながる一助になりたいと思っています。
ご支援ご協力、何卒よろしくお願いいたします!
プロジェクトが終了しました