日本一の山ぶどう産地を山ぶどうワインで次世代につなげたい!
by 株式会社のだむら「涼海の丘ワイナリー」所長 坂下誠
日本一の山ぶどうワインへの挑戦
皆様、はじめまして。岩手県野田村で株式会社のだむら「涼海(すずみ)の丘ワイナリー」の醸造所長をさせていただいております、坂下誠と申します。
醸造施設の立地場所からは太平洋が一望でき、海からの涼しい風が吹走することから、「涼海の丘ワイナリー」と名付けました。
株式会社のだむらでは、山ぶどう日本一の産地消滅の危機を防ぐため、生産農家の経営継続と東日本大震災後の野田村の本格復興のシンボルとして100年先まで続くことを目指し、地域資源を活かした新規事業である「山ぶどうワイン事業」を2016年からスタートしました。
しかし、次世代に繋げる産業としてはまだまだ基盤が不十分です。岩手の小さな村の小さなワイナリーが将来への夢として日本一の山ぶどうワイン作りへの挑戦のご支援をお願いできないでしょうか?
最後までお読みいただけましたら幸いです。
どうぞ、よろしくお願いいたします!
日本一の産地、野田村だからこその山ぶどう
山ぶどうは日本古来の野生ぶどうと言われています。
私たちの住む地域では、古くから滋養強壮に良いとされ、山野から採取される山ぶどうの果汁は大変貴重なものでした。
この地域の山ぶどうは、山野に自生する山ぶどうを挿し木で一本一本増やし、丹念に育ててきたもので、純粋で素朴な自然の味が生きています。
また、初夏に太平洋からの涼風「やませ」により山ぶどうがじっくり育ち、糖度の高い熟成された高品質な果実は、大自然の力がぎゅっと詰まっています。
野田村の澄んだ水と空気は、おいしい山ぶどう作りには欠かせません。
ちなみに、山ぶどうの栽培面積は岩手県が日本一で、その約4割を占めるのが野田村です。
また、2018年度は岩手県内一の生産量となりました。
野田村は、いわば日本一の山ぶどう産地と言えます。
この産地を次世代に継承していこうとするのがこのプロジェクトです。
地域資源活用の理想と現実
地元でのワイン醸造が始まる前は、山ぶどう果実の付加価値向上が進展しない状態が続いていて、これに伴い果実の販売単価が低迷し、生産農家も山ぶどう栽培に夢を持てない状況でした。このままでは貴重な地域資源である山ぶどうが産業として消滅してしまう危機感がありました。
そこで、日本一の山ぶどう産地でありながら、この地域資源が地元で生かせていない状況に対処するために、東日本大震災後で甚大な被害を受けた野田村の生業再生の先駆け事業として、2015年にワイナリーの施設整備を行い翌年から醸造を開始しました。
2017年4月から、「紫雫~Marine Rouge~」(しずく・マリンルージュ)シリーズとして県内を中心に販売しております。
しかし、生産規模が零細で、機械・設備も十分でないため、商品の生産コストがどうしても高くなってしまいます。そのため、収益率が低位で推移し、醸造開始以降厳しい経営状況にあります。
地域おこし協力隊として2018年度から生産農家の補助を行っている山口さん
大切なものこそすぐそばにあった!それは「旧野田玉川鉱山」
より高付加価値のおいしいワインを作り、事業の収益力を強化することがその打開策と考え、新たな商品開発を模索していました。
実はワイナリーの近くに「旧野田玉川鉱山」があります。この鉱山は明治時代から採掘され、昭和時代には地下420mまで採掘された坑道があります。平成に入る前にその役割を終え、現在は一部の坑道が観光鉱山として稼働しています。
その坑道を活用して山ぶどうワインを長期熟成することを思いつき、「坑道熟成ワイン」と名付けたプロジェクトをスタートさせました。
ワインの貯蔵には、温度13度前後、湿度70%前後の、光や振動の影響がない環境が必要ですが、坑道内は年間温度が8〜12度、湿度80%前後というワインの熟成のためには最高の環境です。
ワインの長期熟成には、施設整備やランニングコスト等の面から他社では簡単に取り組めない事業ですが、「涼海の丘ワイナリー」では低コストにより、坑道熟成ワインを生産することができます。
坑道での長期熟成により、山ぶどうワインはより奥深い旨みと料理との相性が良いバランス感のある味に仕上がり、濃くておいしいナチュラルなワインに変化させることができます。
旧野田玉川鉱山坑道入口及び樽保管場所
地域資源の掛け合わせで他にはない価値を!「山ぶどう」×「旧野田玉川鉱山」
もともと、通常のぶどうに比べて圧倒的に生産量の少ない山ぶどうは、ワイン市場においても貴重な存在です。そのうえ、山ぶどうは例えばポリフェノールは通常のぶどうに比べて約3倍です。近年話題のレスベラトロール、アントシアニン、カテキンなどの豊富なポリフェノールが、より多く含まれていると言われております。
その山ぶどうワインを坑道で長期熟成することで、このワイナリーにしか作り出すことの出来ない、価値ある最高の1本を目指します。
この新しい取り組みを知っていただきたく、また、熟成させ本格的に販売するまでの応援もしていただけたら幸いと思い、クラウドファンディングに挑戦いたしました。
ご協力いただいた資金の使い道と御礼は以下の通りです。
<資金の使い道>
・熟成用ワインセラー柵及び棚 480,000円
・坑道運搬用TPコンパレッターセット 540,000円
・クラウドファンディング手数料 180,000円
<ご協力いただいた皆様への御礼>
・御礼のお葉書(野田村オリジナルポストカード)
※ 数種類ある中から、こちらでランダムに選びます。
※「道の駅のだ 観光物産館ぱあぷる」に持参していただくと、のだ塩ソフトクリーム1個無料
・のだ塩ソフトクリーム無料券4枚
・山ぶどうジュース【森のぱあぷる720ml】1本
・紫雫 ~Marine Rouge~「赤」750ml(プロジェクトオリジナルラベル)
・紫雫 ~Marine Rouge~「樽熟成赤」750ml(プロジェクトオリジナルラベル)
※ プロジェクトオリジナルラベルは試作品の為、画像はイメージです。デザインは変更になる可能性があります。
【酒税法第9条に基づく酒類製造免許番号:久慈調第3103号】
次世代の野田村の為にいま私たちがチャレンジ
生産から醸造、販売まで「オール野田村」にて、野田村産山ぶどう100%ワインの醸造を開始することまではできています。
今回のプロジェクトなどを通じ、より一層、山ぶどうの可能性を研究し、世界に誇れるここにしかないワインを造れるように精進します。
そして、前世代、その前の世代から脈々と引き継がれてきた山ぶどう文化を、次世代に新しい形で引き継いで、100年後に「あの坑道熟成山ぶどうワインがあったから、今の地域の宝になっている」という未来を目指していきます。
ご協力、どうかよろしくお願いいたします。
プロジェクトが成立しました