介護制度の枠にとらわれない「高齢者が主人公になれる居場所づくり」を陸前高田市に!
by ワーカーズコープ陸前高田事業所 百笑 所長 古澤光
「役割のある居場所」をコンセプトに運営している高齢者デイサービス施設、ワーカーズコープ陸前高田事業所「百笑(ももえ)」です。
大船渡で養殖と海産物を扱っている産直グループ(有)の方に直売所のアドバイザーとして相談していた所、「震災後に高齢者のいく場所がないので、陸前高田市に海産物と野菜を取り扱う産直のお店を一緒にやらないか?」と声をかけて頂きました。生産者やお客さんなど様々な形で関われる高齢者の役割のある居場所を一緒に作りたいと強く願い、2013年3月に直売所を開店したのが百笑の始まりです。活動を通して、支援を受けるだけではなく、高齢者の今までの経験や知恵を生かした役割を持ち、力を発揮できる機会をつくることの重要性を感じていました。
直売所の運営だけでは活動の継続が困難となったこと、今まで関わってきた方たちも年齢を重ねてきたことから、2020年2月に介護保険のデイサービスを開所しました。現在は高齢者の方の憩いの場としても活用頂けるよう、定期的に百笑ランチも行っております。
居場所を求めている高齢者がたくさんいる事。そしてデイサービスの対象になっていない人も利用ができるように。
「制度の枠にとらわれず高齢者を支援したい!」そんな思いを込めて、今回クラウドファンディングに挑戦します。
ワーカーズコープ陸前高田事業所「百笑」で所長を務めています、古澤光です。昭和61年生まれ、長野県安曇野市出身。高校卒業と同時に長野を出て、埼玉の大学で社会福祉を学びました。卒業後はワーカーズコープに入職し、2012年から岩手県大槌町に移住し、地域共生ホームねまれやの立上げに関わりました。現在は、陸前高田事業所の責任者と大槌町や遠野市を中心にワーカーズコープの各事業所のサポート役を担っています。
2008年、ワーカーズコープへ入職し、山口県宇部市に赴任。初めての配属先は病院の掃除をしている現場でした。身体や心に障がいをもつ方や、50代・60代の女性2人が一緒に働く仲間でした。病院内の清掃という仕事でしたが、患者さんが清掃員の女性に世間話をしたり、相談したり…そんな光景は日常でした。患者さんと話す機会が増え、ただ立場上、患者さんに触れられない。
そのもどかしい気持ちから「みんなでヘルパーの勉強をして資格を取ろう」との声が。一緒に働く仲間の「やってみたい!」を実現できた瞬間でした。働きながら自己実現ができる職場。そして、この体験がワーカーズコープで働く中での原点です。
2010年、愛媛県の立ち上げてから3ヶ月間もない事業所に着任。着任後、1つの取り組みとして、一人ひとり今日の感想をノートに書いて、返事を書く事を毎日行いました。書くことによってそれぞれの想いを知る事ができ、それを形にしていきました。ワーカーズコープの理念「働く人が主人公になれる働き方」。みんなを引っ張っていくリーダーではなく、人それぞれが持っている力を大事にしていける、そんなリーダー像があっても良いのではないかと再発見ができた場でした。
2012年、岩手県大槌町へ転勤。ここから岩手県での生活が始まりました。
一緒に働く職員の中に、発達障がいの子を育てるお母さんがいました。人が多い所にうまくなじめず、学童保育に行けない。そうなると他の選択肢がない状況。職員みんなで話し合いをし、「自分たちで子どもを預かるサービスをやってみよう!」その一言から、自主学童保育を開始。この出来事がきっかけで数年後には、町から学童保育の補助金を頂けるようになりました。
2017年には高齢者のデイサービスと学童保育の事業を一つの建物で行う、地域共生ケアホームを開所し、現在も継続して運営しています。そしてきっかけとなったお母さんが、今では責任者として働いています。
2013年3月から陸前高田市に関わり、2020年からはワーカーズコープ陸前高田事業所「百笑」の責任者として働いています。今まで関わってきた場所で、それぞれ主人公がうまれました。
「どんな人でも主人公になれる。」そして主人公になれる場所があると信じています。
ワーカーズコープに入職し、今まで関わってきた地域では、小さい規模ながら地域や社会を変えているのを目の当たりにしてきました。大きくはないが、自分にできる事をやりたい。そして目の前にいる人が困っていたり、やってみたい事があれば、一緒に形にしていきたい。
自分の原点から変わらない想いは、自分のできる範囲でやった時にその人の喜ぶ姿が、自分のやりがいとなりました。陸前高田市に来て、デイサービスという新しい分野に挑戦している中で、そこに取り巻く制度という壁がありました。
制度の中では限界を感じ、陸前高田市で参加者が主体となる居場所を作りたい。そして自分がずっと大事にしている「主人公になる」そんな人を増やしたいという想いが強くなりました。
介護保険の事業を進めるにあたり、居場所を求めている高齢者はたくさんいる事に気づかされました。その声に応えるために、制度の枠にとらわれず高齢者を支援するプロジェクトを実施したいと決心。
事業所の横の空きスペースを借用し、住民が自由にできるフリースペースを設けます。デイサービス利用者だけでなく、地域の人たちを交えた役割の居場所を実現します。料理やお菓子づくり、縫製、畑づくり、居酒屋など様々なプログラムを考案し、参加者一人ひとりが持っている力を発揮して活躍ができる場を提供します。
働く職員、利用者の方々、関わる人たちが「やってみたい!」という想いを形にし、自分の生き方を自分らしく歩んでいく事をサポートしていきたいです。そして、陸前高田市にないデイサービスをつくる事が目標です。
高齢者の方が主人公になれる居場所を作るため、ワーカーズコープ陸前高田事業所「百笑」は4つの取り組みを実施します。
①縫製クラブ
月2〜4回を目標に実施いたします。利用者や地域の人たちと一緒に、布製品を中心とした手作りの品を製作するサークル活動を行います。簡単な物から製作し、作品展や販売にもつなげていきます。
②畑や花壇づくり
毎年1回の収穫祭の開催を目標にしており、商店街敷地内にある草地を利用し、畑や花壇づくりを行います。商店街内での連携も積極的に行い、多世代交流ができる機会に繋げていきたいと思っています。
③居酒屋デイサービス
月1〜2回を目標に実施いたします。高齢者が楽しく、健康にも気をつけながら、お酒を飲める居場所をつくります。
④甘味処
現在は利用者が得意なものを不定期に教えながら料理をつくっておりますが、月1回を目標に甘味処を実施いたします。高齢者の方が気軽に立ち寄り、談話をしながらお茶が飲める居場所づくりを提供できたらと考えています。
新しい介護保険事業を陸前高田市で実現させ、高齢者の方が主人公となり、楽しんで通って頂ける介護形態を目指し、取り組んでいきたいと思います。
■取り組み費用
①縫製クラブ(ミシン、テーブル、棚、布などの材料):120,000円
②畑や花壇づくり(農具、ネット、種、苗、土):60,000円
③居酒屋デイサービスと④甘味処(オーブン、コーヒーメーカー、食器、飲食物):210,000円
■その他
・返礼品費用、クラウドファンディング手数料:110,000円
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総額:500,000円
■¥10,000リターンに含まれているオリジナルTシャツに関して
下記サイズ展開表をご覧頂き、サイズの選択をお願いします。
日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会 専務理事/田嶋 康利
日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会センター事業団 理事長/田嶋羊子
ワーカーズコープが陸前高田市に直売所をつくり、活動を初めてから7年。地域の皆さんの困りごとや特異な力、やってみたいを受け止めて、力を合わせて実らせられる地域の居場所にしていきたい。その願いの中から、デイサービス百笑が誕生しました。
子供たちや若者への惜しみない愛情、食文化やものづくりの技の豊さ、地域外の方を受け入れる開放性や新しいことへの好奇心など地域で出会う一人ひとりに魅了され、活動を続けることができました。
こうした地域に暮らす「達人の力」を掘り起こし、活躍の場をつくり、その技や生きる力を次の世代に継いでいけるような、「共に生き、共に働く居場所」にしていきたいと思います。その試みを一緒に応援して下さい!一緒に育てて下さい!
ワーカーズコープ陸前高田事業所百笑デイサービス介護員 千葉育子
今年2月に開所し、私も職員として働いています。
陸前高田市ではノーマライゼーションを掲げ、高齢者・若者・子どもたちと分けへだてのないまちづくりに、私はすごく感銘を受けています。
デイサービス百笑では、高齢者さんと共にいろいろなことにチャレンジしていき、いつまでも明るく、楽しく、元気に、笑顔の絶えない高齢者の皆さんと一緒に働きながら、甘味処や居酒屋などを実施していけたらと思っています。
新しい形のデイサービスに、ぜひ皆様の暖かいお力添えをよろしくお願いいたします。
本プロジェクトへのお問い合わせや取材依頼については、下記事業所へご連絡ください。
●事業所名:NPOワーカーズコープ陸前高田事業所「百笑」
●住所:〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町字大隅93-1 たまご村内
●TEL:0192-47-5413
●メールアドレス:furusawa-akira@roukyou.gr.jp
●Facebook:ワーカーズコープ陸前高田事業所「百笑」
このプロジェクトは、東日本大震災からの復興につながるクラウドファンディングをサポートする「復興庁クラウドファンディング支援事業」の対象プロジェクトです。
プロジェクトが成立しました